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養育費請求(調停・審判)とは:立川の弁護士による解説

2024-01-23
離婚・男女関係

「養育費」という言葉を耳にする機会があると思います。

例えば、子どものいる夫婦が離婚をするにあたり養育費を決める必要がある、あるいは離婚の際に決めなかった養育費を決める必要があるといったケースです。

ここでは後者を念頭に養育費請求について解説を致します。

目次

1.養育費とは

養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。

一般的には、子どもの衣食住等に必要な生活費のほか、教育や医療に要する費用も含まれると考えられています。

例えば、離婚後において子どもを養育している母は、父に対して、養育費の支払を求めることができます(離婚の際に養育費に関する取り決めを行うことも多いです)。

2.婚姻費用との違い

養育費と似たものに婚姻費用があります。

これは、婚姻共同生活を営む上で必要な一切の費用を含むとされます。

婚姻費用は、子どもの生活費等のほか、配偶者の生活費等も含まれている点で養育費と異なります。

そのため、その具体的金額は、養育費と比較すると、配偶者の分だけ多いものとなります。

また、婚姻費用は婚姻期間中のもの(離婚するまでのもの)であるのに対し、養育費は離婚後のものです。

3.養育費請求の流れ

(1)父母間での任意の話し合い

養育費の支払いがスムーズになされるように、父母間で、話し合いの上、具体的な金額を決めることが考えられます。

その際、①養育費の金額②支払期間(終期)③支払時期及び④送金先などを明確に決めることが大切です。

養育費の定めについては、父母間において書面で取り交わすことも考えられますが、支払ってもらえない場合に備えて、公証役場において、公正証書を作成することが望ましいです。

もっとも、父母間で、話し合いが適切に行えない場合もあります。

このような場合には、弁護士を通じて、裁判外で養育費に関する取り決めを行うこともできますが、相手方が協力的でない場合などには、裁判を通じて、養育費に関する取り決めを行うことが考えられます。

以下では、裁判を通じて、養育費を請求する流れを解説致します。

(2)養育費調停

養育費調停とは、子どもを養育している親が、他方の親に対して、養育費の支払を求める旨の調停を家庭裁判所に申し立てて、裁判所で話し合いを行うことです。

例えば、子どもを養育している母親が立川市に居住する父親に対して養育費調停を行うときには、立川市を管轄する東京家庭裁判所立川支部宛てに、養育費調停の申し立てを行うこととなります。

調停とは、家事調停委員(男女各1名の合計2名)を通じて、養育費に関して話し合いを行っていく手続です。

調停期日では、家事調停委員が双方から事情を聴きながら手続きを進めます。

具体的には、まず調停員が申立人側から事情を聴き、次いで申立人側から聞いた事情をもとに相手方側から事情を聴き、順次これを繰り返していくといった具合です。

なお、調停では、できるだけ双方が直接会うことがないように配慮されています。

調停での話し合いの結果、養育費に関する合意が成立したときには、調停成立となります。

注1. 離婚の話し合いと並行して離婚後の養育費について話し合いたい場合には、夫婦関係調整調停(離婚)を申し立てて、その中で養育費に関する話し合いを行います。

注2. 夫婦が別居中に、子どもの生活費を含む夫婦の生活費の支払について話し合う場合には、婚姻費用の分担調停を通じて話し合いを行います。

(3)養育費の審判

調停での話し合いが整わない場合には、養育費調停は不成立として終了するとともに、自動的に、養育費の審判手続に移行します。

この審判手続とは、裁判官が、当事者双方から聴取した内容、提出資料等種々の資料に基づいて、養育費について決定する手続です。

すなわち、審判手続では、必要な審理を実施した上、裁判所により養育費の具体的金額が示されますので、調停が不成立となったとしても、養育費の金額が定まることとなります。

なお、養育費の調停を経ずに審判の申立てを行うこともできますが、まずは話し合いを試みることが望ましいとして、家庭裁判所により職権で調停に付されることが想定されます。

仮に調停を経ずに審判の申立てを行うときには、調停での合意成立の可能性が非常に乏しいことを説明する必要があります。

(4)養育費の具体的金額の算定方法

養育費の具体的金額は、一般的には、双方の収入状況や子の人数、年齢その他一切の事情を考慮して決定することになると考えられます。

具体的には、「養育費算定表」(以下「算定表」といいます。)に基づき、父母の基礎収入に基づき算定されるのが通常です(注3)。

例えば、10歳の子ども1人を養育する母が父に対して養育費を請求する場合(義務者である父の基礎収入600万円:権利者である母の基礎収入400万円。いずれも給与所得者。)、「4~6万円」が養育費の目安であるといえます。

もっとも、「算定表」では想定されていないよう場合など、例えば、子どもの数が非常に多い、非常に高収入である場合などには、「算定表」に基づいて簡易的に具体的金額を求めることができませんので、個別具体的事情に基づいて決定していくこともあります。

こうしたときには、とくに弁護士に相談した上で、具体的金額を算定していく必要があるといえます。

注3. 標準的な養育費を簡易迅速に算定することを目的とする算定表は、こちらより取得できます。

(5)養育費の具体的金額の算定に必要な資料

養育費の具体的金額は(4)のように算定されますが、基礎収入を認定するための資料としては、例えば、源泉徴収票、(非)課税証明書、(自営業者の場合には)確定申告書などが考えられます。

4.一旦定められた養育費を変更できるのか

調停等により定められた養育費を、変更することができるのでしょうか。

当事者間での話し合いにより合意することができれば変更することができますが、そうではない場合調停や審判を通じて変更を求めることとなります。

もっとも、変更が認められるためには、収入状況が変動したなどの調停や審判の基礎となった事情に変更があったことが必要となります。

5.相手方が養育費を支払わない場合

例えば、条件を満たす公正証書や調停や審判等において定められた場合には、強制執行の手続を利用することができますので、お手持ちの文書で強制執行が可能かどうかを弁護士にお問い合わせください。

6.まとめ

養育費請求(調停・審判)は以上のような流れとなりますが、以下の図はこの流れをまとめたものです。

例えば、養育費調停において、源泉徴収票等の基礎収入を基礎付ける資料が、当事者双方から裁判所に対して速やかに提出されれば話し合いがスムーズに運ぶことが多いですが、相手方が収入資料の提出に協力的ではない、そもそも調停に出席をしないといった場合には、スムーズな話し合いが難しい場合があります。

経験上、手続をスムーズに進めるためには、相手方の収入資料を事前に入手しておくといった工夫が必要となりますが、個別の事情によってアドバイスは様々ですので、弁護士にお問い合わせ頂ければと考えております。

7.参考文献

  • 司法研修所「養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究」(令和元年12月)

著者情報

大澤 一雄

弁護士
大澤 一雄

上智大学法科大学院卒業後、司法修習修了。

2022年に大澤法律事務所開設。

趣味は水泳。

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