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同居中の婚姻費用の定め方:婚姻費用分担請求

2026-08-14
離婚・男女関係

婚姻費用とは、婚姻共同生活を営む上で必要な一切の費用のことをいいます。

このように言うと分かりにくいのですが、婚姻費用の請求とは、夫婦間において、収入の少ない方から多い方に対して、生活費等の金銭の支払いを求めるものです。

夫婦が別居に至った場合において、婚姻費用の問題が顕在化するのが一般的です。

しかし、家庭内別居の状態にあるときであっても、婚姻費用の問題が顕在化することがあります。

ここでは「同居中の婚姻費用」について家事調停を念頭に説明します。

<POINT>

  • 婚姻費用算定表は別居していることを前提としたもので同居事案の場合にはそのまま適用するのは困難
  • 詳細な家計簿を作成するなどして夫婦の負担額を明らかにした上で義務者の婚姻費用負担額を明らかにしてく方法が一例として考えられる

目次

1 同居中の婚姻費用の求め方

夫婦間での話し合いにより解決することが考えられますが、家庭裁判所における婚姻費用分担調停において解決する方法も挙げられます。

婚姻費用分担調停(婚姻費用についてはこちらの記事もご参照下さい)が申し立てられているときには、離婚調停も同時又は事後に申し立てられていることが多い印象です。

そのため、婚姻費用と離婚のいずれを優先して協議するのかを確認する必要があります。

2 婚姻費用算定表について

婚姻費用を支払う義務のある配偶者が毎月具体的にいくら負担すべきかという目安を分かりやすく表化したものとして、「婚姻費用算定表」(以下「算定表」といい、裁判所のHPからダウンロードできます。)があります。

これはあくまで夫婦が別居していることを前提とした算定表であることに注意が必要です。

そのため、夫婦双方の収入を算定表に当てはめる形で、「○○円を負担すべき」と決めることは難しいといえます。

したがって、算定表は、後述のように個別に婚姻費用を検討していくというやり方では時間がかかるため、あくまで参考として利用するかどうかという位置付けと考えた方がよいように感じます。

3 同居のケースでは個々の事案に応じた検討が必要であること

同居のケースでは、算定表をそのまま使うことができないことから、収入状況からすれば一律この程度の負担となるなどの明確な目安はなく、個々の事案に応じた検討が必要となってしまいます

そのため、家庭裁判所における婚姻費用調停を行っても、簡易迅速に婚姻費用の具体的金額を定めることができない、という事態が想定されます。

同居している以上は、いずれかが家賃・住宅ローン・電気ガス水道代等の負担をしていることから、別居のケースとは異なり、直ちに生活に困窮してしまうことは少ないと思われますが、時間がかかるということを意識した方がよいです。

4 個々の事案に応じた検討とは

それでは、個々の事案に応じた検討とは、どのようなものでしょうか。

このように計算をしなければならないというものはありませんが、基本的には夫と妻それぞれが支出している家計簿を、それぞれに作成してもらうことが出発点になることが多いと考えられます。

家計簿といっても、大雑把なものではなく、支出項目ごと(例:食費、電気代、ガス代、電話代等)に詳細なものを作成し、短くとも数ヶ月分を作成することで、各々が具体的に負担している金額を明らかにする必要があります。

その上で、それぞれの収入から導かれる婚姻費用の負担額を求め、義務者(婚姻費用を支払う義務のある配偶者)が負担している支出額を控除する方法が考えられます。

義務者が負担している支出額を控除する際、支出額をそのまま控除するのではなく、夫婦が利益を共通にしている項目(例:水道光熱費)については一部を控除するといった工夫が必要となります。

このような方法によることは数度の調停期日を要することから、現状の負担関係のまま、義務者が他方配偶者に対して毎月一定額を渡すという取り決めを早期にすることで解決することで、離婚問題について協議を進めていくことが現実的とはいえます。

5 まとめ

婚姻費用についてご相談がありましたら、お問い合わせ欄よりお問い合わせ下さい。

著者情報

大澤 一雄

弁護士
大澤 一雄

上智大学法科大学院卒業後、司法修習修了。

2022年に大澤法律事務所開設。

趣味は水泳。

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