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離婚時に子どもの親権者を決めずに離婚することができるのか:改正民法(26年4月施行)の改正点

2026-03-13
離婚・男女関係

未成年の子どもをもつ夫婦が離婚そのものについては争いがないものの、子どもの親権について争いがある場合、まずは離婚したうえで、親権の帰属について話し合いをすることができるでしょうか。

本記事では、この点について解説をします。

※2026年4月施行前の民法については「改正前民法」と呼び、施行後の民法については単に「民法」と呼んでいます。家事事件手続法も同様です。

目次

1 2026年4月施行の改正民法施行「前」の状況

2026年4月施行の改正民法施行前の状況下では、離婚と同時に単独親権者を決定する必要がありました。

そのため、離婚にあたり親権者を決める必要がありますので、冒頭の例では離婚そのものに争いがなくても、離婚をすることができませんでした。

2 2026年4月施行の改正民法施行「後」の状況

(1)離婚の種類

離婚には主に、①協議離婚、②調停離婚、③離婚訴訟による離婚がありますが、その種類に応じて違いがあります。

(2)協議離婚の場合:改正点有

協議離婚とは、文字通り、夫婦間での話し合いにより離婚することで、家庭裁判所を利用しない離婚となります。

「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める」(民法819条1項)とされていることから、単独親権とするか、共同親権とするかを決めなければならないのが原則です。

もっとも、協議離婚の際に、離婚することについては争いがなく、親権の帰属に関する協議が夫婦間で整っていない場合であっても、「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている」ときには、協議離婚の届出が自治体に受理されることとなりました(民法765条1項2号)。

そのため、冒頭の例であれば、親権者の指定を求める家事審判または調停の申立てがされていれば、協議離婚ができることとなります。

まとめると、①夫婦の一方からの親権者指定の審判・調停の申立て→②協議離婚の届出→③親権者指定の審判確定または調停の成立、という手順を経ることとなります

なお、親権者の指定を求める家事審判又は調停の申立てをすることで協議離婚を成立させた場合、自由に当該申立てを取り下げることができるとすると親権の帰属が未確定のままとなり子どもの利益に反することから、家庭裁判所の許可がなければ当該申立てを取り下げることができないものとされています(家事事件手続法169条の2,273条3項)。

(2)離婚調停/離婚訴訟の場合:従前同様

離婚調停とは、夫婦間での任意の話し合いが難しい場合などに、家庭裁判所において、家事調停委員を介して、離婚に関する話し合いを進めていく方法です。

離婚訴訟とは、裁判官が夫婦を離婚させてもよいかどうかについて判断をする手続です。

一定の条件の下親権者を定めずに離婚ができる(1)の民法765条1項2号は協議離婚に関する規定であることから、離婚調停や離婚訴訟には適用されません。

そもそも離婚できるのであれば、離婚調停や離婚訴訟を行う必要がなく、親権の帰属については別途審判又は調停を申し立てればよいといえます。

3 まとめ

協議離婚に限っては、一定の条件の下、親権者を定めずに離婚することができますが、親権の帰属について結論がでなければ離婚もしたくないという場合が多いとも考えられます。

そのため、親権者を定めずに離婚する場合は現実的には多くないかもしれません。

4 参考

・「一問一答 令和6年民法等改正」(2025年9月 商事法務)

著者情報

大澤 一雄

弁護士
大澤 一雄

上智大学法科大学院卒業後、司法修習修了。

2022年に大澤法律事務所開設。

趣味は水泳。

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